「春は、あけぼの。
やうやうしろくなりゆく山ぎは、
少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。」
これは、清少納言が「枕草子」に記した有名な一文です。
「枕草子」は世界最古の随筆文学と言われていますが、学校の授業で学んだ時には、正直、あまり強い関心を持てませんでした。
そこで、年を重ねた今、どのように受け止められるのか「Mako’s話し方サロン」において生徒さんと共に改めて向き合ってみました。
生徒の皆さん、覚えていらっしゃいますか?
皆さんにお伝えする前に調べを進めて行きますと、清少納言という女性が実に素敵に感じられたのです。
現代でいうと人気エッセイストのような存在になるのでしょうか。豊富な知識だけでなくお茶目な表現に魅せられてしまいました。
そして、清少納言は今でいうキャリアウーマンです。
一条天皇のお后・中宮定子様にお仕えする女房(侍女)なのですから。
そう考えると、千年の時空を超えて清少納言が身近に感じられるようになりました。そして「枕草子」を読み進めてゆくと、平安時代の人間と令和に生きる私たちの心にさして違いがないことに気が付きました。
平安貴族の生活というと優雅だなあと思われますが、清少納言は平安時代の日常を書き残しています。それは、嫉妬や陰謀、権力争いなど……。
しかし清少納言は知恵と洒落を生かして乗り越えていくのです。
私は清少納言から、悲しみや苦しみを乗り越える力を与えてもらいました。
清少納言は素晴らしい文筆家です。世界中に翻訳され、多くの人々の心を掴んでいます。到底真似できるものではありませんが、あの「感性」は私たちの心の中にも潜んでいるいるのではないでしょうか。
私は名文や美文というよりも、伝えたいという心が込もっている文章が好きです。
先日、世田谷で「話し方教室」をしていた時の生徒さんからメッセージが届きました。
「パソコンのデータ整理をしていたところ、以前、宿題にしてもらったエッセイが4編出てきました。あれから何年経つのでしょう。文章がとてもハツラツとしていて「若いなぁ〜」と嬉しくなり、この文章は宝物だなぁと感じました。
改めてお礼をお伝えしたくメッセージ致しました。素敵な時間を作っていただき本当にありがとうございました」
送って頂いたこのメッセージこそ、私の宝物になりました。
自分が感じたことを文章にするということを難しいと思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。しかし、今感じている心は時間の経過と共に流れ去ってしまうのです。
制約を受けながらの現在の日常だからこそ、これまで感じられなかった事が、心の目に映ってくるような気がしています。
あなたの大切な今を書き記してみては如何でしょうか。
「春は曙よ!
だんだん白くなっていく山の上の空が、
少し明るくなって、紫っぽい雲が細くたなびいているのよ!」
清少納言の響きが聞こえてくるような気がします。
メッセージ、お待ちしております。
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